建物の基礎とは?役割や種類について解説
投稿日:2023.5.27 更新日:2023.6.1
丈夫な建物を建築する上で重要な役割を担っているのが「基礎」と呼ばれるものです。
建築工事の過程で直接見ない限りはなかなか基礎部分を目にすることはできません。
実は、地盤の状況や建築する建物によっていくつかの種類の基礎を使い分けています。
建物の基礎について知らないことが多い方もいるでしょう。
そこで今回は、建物の基礎が持つ役割や種類についてご紹介します。
建物の基礎とは
建物の「基礎」がどの部分を示しており、どのような役割を担っているかご存じでしょうか。
建物を建築する上で最初に出来上がる部分が「基礎」です。
基礎は地盤と建物をつなぐ非常に重要な役割を担っており、基礎が無いと自然災害に耐えることができません。
また、地盤が並行な状態を保てず建物が傾いてしまうなどの大きな影響が出てしまいます。
基本的に基礎は建物の建築後に手を加えることができないため、建築時にしっかりと設計・施工することが大切です。
その結果、建物は長持ちし安心をもたらしてくれるので、安心できる建物作りには基礎が必要不可欠なのです。
建物の基礎の役割
基礎は建物全体に大きな影響を及ぼし、建物を長期間維持するために重要な役割を担っています。
ここでは基礎が持つ代表的な役割を4つほどご紹介します。
・建物の荷重を分散させる
・防湿効果を高める
・断熱効果を高める
・建物を安定させる
それぞれの役割について詳しく説明します。
建物の荷重を分散させる
建物の基礎が持つ役割の1つ目は、建物の荷重を分散させて地面に均等に伝えることです。
また、基礎には建物自体の重さ以外に、風や地震による外部からの力を地盤に伝える役割があります。
地盤に均等に力を伝えることで、地盤の沈下や変形を防ぐことができます。
基礎部分がしっかりと設計・施工されていないと、荷重が偏り建物が倒壊するリスクがあるため非常に重要です。
防湿効果を高める
建物の基礎が持つ役割の2つ目は、建物の防湿効果を高めることです。
建物の基礎は地面と接しているため地下水や雨水に侵食されることがあり、基礎部分に十分な防湿効果がないと建物に影響を及ぼします。
そのため基礎部分には防水シートや防湿コーティングが施されており、地盤との設置面に排水性の高い資材を敷き詰めているケースが多いです。
防湿対策が不十分だと建物自体にカビが発生したり、腐朽してしまう可能性があります。
断熱効果を高める
建物の基礎が持つ役割の3つ目は、建物に断熱効果をもたらすことです。
基礎部分に断熱材を敷くことで地面から伝わる冷気や湿気が入り込むことを防止し、建物内の温度が下がってしまうことを防ぎます。
そのため、建物の温度を一定に保つ効果が期待できるでしょう。
特に、地下に部屋のある建物は温度の下がりやすい地下の空間があるため、断熱材を設置し断熱をおこなうことは効果的です。
また、寒冷地では冬場の冷気によって建物内の温度が影響を受けやすいため、基礎部分の断熱性を重視する必要があります。
建物を安定させる
建物の基礎が持つ役割の4つ目は、建物の耐久性を高めて安定させることです。
基礎は地盤と建物を接続しており、建物の耐久性に大きな影響を与えています。
また、基礎部分が適切に設計され、その上でしっかりと施工されることで長期間に渡り建物を支えてくれます。
設計・施工が不適切な状態で建築物が出来上がると、地震などの自然災害に耐えることができない建物が出来上がるので注意が必要です。
建物の基礎の種類
一見外からではわかりづらい基礎部分ですが、地盤の状況によっていくつかの種類を使い分けています。
適切な基礎の種類を判別するためには地盤調査を行い、調査結果から適した基礎を選択して工事が必要です。
代表的な基礎の種類は以下の4種類です。
・杭基礎
・ベタ基礎
・独立基礎
・布基礎
4つの基礎の種類について、それぞれ詳しく説明します。
杭基礎
いくつかある基礎の中でも軟弱な地盤に適しているのが「杭基礎」です。
軟弱な地盤以外に、地震や洪水が発生しやすい地域に建物を建築する際も杭基礎が採用されます。
杭基礎をおこなう場合は、地盤改良を実施してから施工することもあり、地盤改良には高度な技術を要します。
そのため、杭基礎を採用する場合は設計・施工に杭基礎の専門家や実績のある施工会社に依頼しましょう。
ベタ基礎
杭基礎とは大きく異なり、地盤に直接基礎を設置する直接基礎の1つが「ベタ基礎」です。
ベタ基礎は、建物の床面積全体に基礎スラブと言われる鉄筋コンクリートを敷いて作られます。
地盤が硬く安定しているところで採用される基礎工事で、施工の難易度が低くローコストで施工することができるという点が特徴です。
地盤が軟弱な地域では、地盤沈下やひび割れを引き起こす可能性があります。
独立基礎
「独立基礎」は柱や壁ごとに独立して基礎を作る施工方法です。
各柱や壁の下に基礎を作るため、それぞれの重量を地盤に分散して伝えることができます。
独立基礎は軟弱な地盤に対応しており、建物の形状や配置が複雑な場合や高層建築物の基礎に対応している点が特徴です。
また基礎が独立しているため、仮に地盤沈下が起きた際にも建物の傾きやひび割れの被害を最小限に抑えることができます。
布基礎
「布基礎」はベタ基礎と独立基礎の中間的なスタイルの基礎で、複数の柱や壁ごとに基礎を作り、建物の荷重を分散させることができます。
別名「連続フーチング基礎」とも呼ばれ、軟弱地盤や大型建築物に採用される場合が多く、地震や風の力を強く受ける地域でも使用されています。
地盤沈下に対する耐性がやや弱いですが、独立基礎と同様に基礎が独立しているため、沈下が引き起こす建物の傾きやひび割れなどの被害を最小限に防ぐことが可能です。
まとめ
基礎は建物を安心して利用するため、また建物で快適に過ごすために重要な役割を持っています。
地震や津波などの自然災害の多い日本だからこそ、基礎の役割や種類を理解することが重要です。
完成した建物には後から基礎の部分を確認することができないため、自分の目で確かめるためにも施工状況を確認してみると良いでしょう。
本記事を通して基礎の重要性について理解を深めていただけたと思います。
これから住宅を建てる際は、安心できる建物を作るためにも信頼できる業者に託すことがおすすめです。
*K*
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